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UPDATE:2005.7.2
神戸スイーツの歴史を語る上で欠かすことの出来ないお店のひとつ。 創業者はロシア出身のモロゾフ氏。「モロゾフってあのモロゾフ?」と思う人も多いはず。デパ地下に入っているモロゾフも、コスモポリタン創業者のモロゾフも同じモロゾフ。じゃあ、なぜモロゾフ氏の名前が、神戸のスイーツを代表する二つのお店ででてくるのか? 簡単にいうと、当初のモロゾフというスイーツショップの経営を巡る裁判を経て、モロゾフ氏はモロゾフを去り、今のコスモポリタン製菓を創業したのである。したがって、モロゾフ家の正統な血筋としては、コスモポリタン製菓のほうが正統と言える。 この辺りのことは、『コスモポリタン物語』(非売品)、『大正十五年の聖バレンタイン』(こちらは本店の喫茶室で読める)をよめばかなり詳しく書いている。(ちなみに、「モロゾフ」側からの視点の本としては『大正ロマンをチョコレートに包んで』がある。) 神戸っことしては、どちらも大切にしたいが、ロシア革命を逃れ、戦中は白系ロシア人として苦難を重ねたモロゾフ氏が築いてきたコスモポリタンに肩入れしたくなってしまうのだ。 さて、今のコスモポリタン製菓の本店は、かつて工場があったところ。30数年前に設けられたお店は、手前にチョコレートショップがある。宝石のようなチョコレートを見るだけでも楽しい。奥には喫茶店があり、最奥にはカウンター席もある。喫茶のメニューはユニーク。ロシアンティーやボルシチなど、ロシアにちなんだものが多いのが特徴。コーヒーや紅茶にチョコレートをつけることができるのもチョコレートショップであるコスモポリタンならでは。かわったことろでは、コスモコーラというオリジナルコーラもある。なかなかヨーロッパの香りが楽しめるお店、ゆっくりとくつろぎたい。 ここでは、ヨーロッパの味をかたくなに守っている。したがって、甘さは濃い目。しかし、日本人の口に合わせて妥協しない異文化の味が今でもきちんと楽しめるのがうれしい。裏返せば、あっさりと軽い食感のスイーツだけでなく、重量級の味で勝負するスイーツも支持する、神戸の人々のスイーツに対する懐の深さがあらわれているように思う。 ちなみに、店内にはモロゾフ一家がコスモポリタンの商号でしか商売をしていない、と書いたドキュメントが掲げられている。前述の裁判の和解のときの条件のひとつに、モロゾフ一族が今後モロゾフの名前を使って商売をしない、ということがあったことを思うと興味深い。一方で、このドキュメントが「モロゾフ一族のお店はこっちだ」と言っているようにも思える。 ■■2006年8月で閉店しました |
<チョコレートタルト> | |
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さっくりとしたタルト生地に中に、カスタードクリームを塗り、コスモポリタン特製のチョコレートムースに生クリームを重ねてベリーのソースを絡めたボリュームある一品。 チョコレートの味は濃い目なので、生クリームと合わせながら食べるとちょうど良い。チョコ+生クリームは、ザッハトルテに代表されるヨーロッパの伝統的な組み合わせ。甘さの大波に幸福感一杯になれる。 |
<ロシアンコーヒー> | |
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スイーツじゃないじゃないの!と言われそうだが、コスモポリタンのロシアン度を示すために紹介。 コーヒーにチョコレートと生クリームが入っている。ウィンナーコーヒーの親戚みたいなものか。ヨーロッパの人は甘いことがいいことだ、と思っていると感じさせる節があるが、これもそのひとつ。 |
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